「第16回旅の文化フォーラム」を開催
 
 さる4月4日(日)、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントにて「第16回旅の文化フォーラム」を開催しました。
 午前中の研究発表では、この3月末で研究期間を終えた第16回公募研究の方々4名が、一年間の研究成果を発表しました。その後、「第17回公募研究プロジェクト」の採択発表式と「第17回旅の文化賞」の表彰式を行い、旅の文化賞を受賞された北見けんいち氏から受賞記念講演をいただきました。
 午後の第2部は、特定研究プロジェクトの研究会メンバーによるシンポジウム「戦後の旅の大衆化Part2―招待旅行と海外旅行―」を開催しました。パネリストは山村高淑氏(北海道大学観光学高等研究センター准教授)、須古正恒氏(旅行業健康保険組合常務理事)、高媛氏(駒澤大学専任講師)で、当研究所の山本志乃がコーディネーターを務めました。
 まず山本主任研究員より今回のシンポジウムの主旨について説明があり、その後パネリスト各自から、プレゼンテーションとしてそれぞれ具体的な話題提供がされました。シンポジウムの後半は、このプレゼンテーションをうけて、参加者の方々からいただいた質問用紙をもとに議論を進めました。
 招待旅行にまつわる実体験や、海外旅行にみる旅の形態の変化、戦前の満州体験者における「望郷」の意味など、会場と壇上の双方から活発な意見交換がなされました。今回のシンポジウムでは、団体旅行が最も隆盛であった1970年代までをおもな議論の対象としましたが、その後、旅の形態が個別化へと向かう中でも、同行者同士の交流を求めるなど、旅を共通体験ととらえる「団体」のあり方には、ある種の普遍性があることが浮かびあがってきました。さらには、こうした戦後の旅の文化を日本文化の中にいかに位置づけるかという問題も指摘され、プロジェクトの締めくくりにあたり、稔り多いシンポジウムとなりました。
 
 
第16回公募研究の成果発表
 
シンポジウム「戦後の旅の大衆化」
 
第16回旅の文化研究フォーラム
≪プログラム≫
10:00  開  会
第1部 研究発表
10:10〜10:35
@岡本  健
現代日本における若者の旅文化に関する研究
――アニメ聖地巡礼を事例として――
10:35〜11:00
A工藤 久貢
ネパールにおける観光ブランドとしての「シェルパ」
――観光実践としての歓待からの人類学的考察――
11:00〜11:25
B菅沼 明正
文化財と国民の受容に関する研究
――戦後の高度成長期における大衆間の奈良京都への観光旅行の
増加とそれに伴い出版されたガイドブックの分析を中心に――
11:25〜11:50
C皆川 萌子
海外における一時滞在者たちのコミュニティ
――上海の日本人を事例に――
12:00〜12:10  第17回公募研究プロジェクト 採択発表式
12:10〜13:20  昼     食
13:20〜13:30  第17回旅の文化賞 表彰式
13:30〜14:20
第17回旅の文化賞受賞記念講演
       「旅は人間を成長させる」   北見けんいち
14:20〜14:30  休      憩
第2部 シンポジウム「戦後の旅の大衆化Part2−招待旅行と海外旅行−」
14:30〜15:20
プレゼンテーション
「シンポジウムの趣旨について」山本 志乃(旅の文化研究所 主任研究員)
「団体旅行を生み出す仕組み―農協・信金・家電メーカーが旅行者を組織化した時代について考える」山村 高淑(北海道大学観光学高等研究センター 准教授)
「海外旅行大衆化への立役者は誰か?」須古 正恒(旅行業健康保険組合 常務理事)
「『郷愁』と『友好』のあいだ―戦後から1970年代末までにおける日本人の『満州』旅行」
高   媛(駒澤大学 専任講師)
15:20〜15:40  コーヒーブレイク
15:40〜17:00
パネルディスカッション
      パネリスト    山村 高淑、須古 正恒、高   媛
      コーディネーター 山本 志乃
17:00  閉  会