「第3回江戸文化フォーラム」開催
 
 当研究所主催の「第3回江戸文化フォーラム」を、10月21日(水)、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントにて開催しました。
 当研究所では、日本文化のアイデンティティを模索する試みの一環として、これまで庶民の伊勢参宮をテーマにした「伊勢文化フォーラム」、東アジアにおける米の酒をテーマにした「焼酎文化フォーラム」を開催してきました。一昨年からは、研究所の特定研究でも長年取り組んできた江戸を題材に「江戸文化フォーラム」を開始し、第1回は「江戸の粋≠ニ華=v、昨年の第2回は「江戸の食、東京の食」をテーマに開催。3回目となる今回は、「江戸往来」をテーマに、講演と落語、シンポジウムを行いました。
 
シンポジウム(左から神崎所長、グローマー氏、横山氏、桂南喬氏 )
 
 まず、基調講演として、ヨーゼフ・クライナー氏(法政大学特任教授)が「オランダ商館長の江戸参府」というテーマでお話くださいました。日本に興味を抱くヨーロッパ人たちが、日本入国の唯一の窓口だったオランダ東インド会社に入ることを望み、それがためにオランダ人に限らず各国のヨーロッパ人が長崎のオランダ商館にやってきたこと、将軍への挨拶のための江戸参府の旅が好奇の目にさらされながらの窮屈なもので、出島での生活が存外にゆったりと楽しいものであったことなど、鎖国政策の中で展開した異文化接触の生き生きとした実態を、当時の記録をもとにお聞かせくださいました。
 続いて落語家の桂南喬師匠による落語「大山詣り」が上演され、その後休憩をはさんで、桂南喬氏、ジェラルド・グローマー氏(山梨大学教授)、横山泰子氏(法政大学教授)をパネリストに迎え、神崎宣武所長のコーディネートによるシンポジウム「江戸から出る旅、江戸へ入る旅」が行われました。
 落語の題材にもなった田舎者の江戸見物、盛り場での見せ物や遊興、芸能の伝播といった話題から、歴史的な文化都市である京都・大坂と、政治都市である江戸との対比といったことにも議論が及び、貴賎を問わず多くの人々を惹きつけた新興の「観光都市」江戸の求心力が、改めて浮き彫りにされました。
 
クライナー氏による基調講演
 
桂南喬師匠による落語
 
 フォーラムの後は、基調講演のテーマにちなみ、創作卓袱料理によるパーティーを開催しました。昨年から引き続き参加された方も多く、一年ぶりの再会に談笑される姿が印象的でした。
フォーラムには約350名、パーティーにも約40名が参加され、和気あいあいとした雰囲気のなか、盛会のうちに終了しました。
フォーラム後に開催されたパーティー