「第25回公募研究プロジェクト」採択発表式・
「第25回旅の文化賞」表彰式・受賞記念講演会を開催

4月8日(日)に開催した「第24回旅の文化研究フォーラム」において、「第25回公募研究プロジェクト」の採択発表式と、「第25回旅の文化賞」の表彰式、ならびに受賞記念講演会が行われました。

まず、公募研究に採択された研究者5名に研究費が授与されました。採択者を代表して、立教大学大学院修士課程のウリラガ氏が「この一年間で現地調査や文献調査をちゃんと行って、よい研究成果が出せるようにがんばりたいと思います」と意気込みを語られました。今回採択された方々の研究成果は、来年4月の「第25回旅の文化研究フォーラム」で発表される予定です。

続いて、「旅の文化賞」を受賞された菅波茂氏(AMDAグループ代表・医学博士)に表彰状と記念品が授与され、記念講演として「未知との遭遇こそ我が喜び」と題してお話いただきました。

菅波氏が代表をお務めのAMDA(アムダ・The Association of Medical Doctors of Asia)は、災害や紛争で被災した地域に医療・保健衛生分野を中心とした緊急人道支援活動を展開するNGOですが、海外支部を32もの国に持っていることが、他のNGOにはない大きな特徴です。それは、ご自身がかつてアジア各地を旅し、その土地ごとの民族や宗教など、文化の多様性に接したことが基盤となっています。顔かたちは似ていても、ものの見方や考え方はそれぞれの集団で異なっており、その違いこそが人間社会の財産であるということを、旅を通して教えられたとおっしゃいます。

「困ったときはお互いさま」という相互扶助の精神と、地域の文化を大切にする「援助を受ける側のプライドの尊重」は、AMDAの理念の柱であり、それゆえに支援が困難と思われる地域であっても受け入れられ、活動の場を広げてこられました。

「緊急支援では、聴診器ひとつで誰も入っていかないようなところに行くことができます。そこで自分とは違う考えの人たちに出会い、知らない世界を見出すことは大きな楽しみです。聴診器は方法論ですが、私の本体は文化人類学。文化とは何か、人間の価値判断とは何なのかを考えてきた私にとって、これほどうれしい表彰はありません」とおっしゃる菅波氏。豊かな旅の経験に裏づけられた真の異文化理解の実践に、フロアの聴衆からも感銘の声が多く寄せられました。