「第19回旅の文化研究フォーラム」を開催

さる4月14日(日)、東京・白金台のシェラトン都ホテル東京にて「第19回旅の文化研究フォーラム」を開催しました。

まず第1部の研究発表では、この3月末で研究期間を終えた第19回公募研究の方々4名が、一年間の研究成果を発表しました。発表者と発表テーマは下表のとおりです。

その後、「第20回旅の文化賞」の表彰式を行い、「旅の文化賞」を受賞された筒井功氏と「旅の文化奨励賞」を受賞された六車由実氏から記念のスピーチをいただきました。また「第20回公募研究プロジェクト」の採択発表式もあわせて行いました。

後半の第2部は、「漂泊という旅」というテーマでシンポジウムを開催しました。パネリストは筒井功氏(民俗研究者)、川上隆志氏(専修大学教授)、常見藤代氏(写真家)で、当研究所の山本志乃主任研究員がコーディネーターを務めました。

まず筒井氏より、非定住民のサンカをめぐる長年の調査から、言葉の伝播とその背景をめぐる興味深いエピソードをお話いただきました。また、川上氏からは、かつて編集者として民俗学や歴史学の研究者と取材のため各地を訪れるなかで出会った、瀬戸内海沿岸の船上生活者の暮らしについて、また常見氏からは、エジプトの砂漠で遊牧を続けている一人の女性を長年取材された経験から、海外における漂泊の旅の一端を、それぞれご紹介いただきました。これらのお話からは、漂泊という生き方が蔑視の対象となる一方で、彼らが担ってきた芸能や特殊な技術によって、社会に必要とされていたことをうかがうことができます。こうした漂泊の暮らしは消えつつあるのが現状ですが、正史に残らない「もうひとつの旅」のありようとして、記録に残していくことの大切さを再確認することができました。

このフォーラムには約100名が参加され、盛会のうちに終了しました。

「第19回旅の文化研究フォーラム」発表者と発表テーマ(レジュメはこちらをご覧ください)

氏 名所 属研究題目
アコマトベコワ・グリザット立教大学大学院 博士課程キルギス共和国における温泉施設の発展と利用変化
鈴間 智子筑波大学大学院 博士課程近世渡り石工による石造物制作活動の実態復元
東城 義則総合研究大学院大学 博士課程現代日本における狩猟観光の様態
―北海道西興部村猟区のエゾシカ狩猟を事例として―
三野 行徳国立歴史民俗博物館 外来研究員明治維新と武家の北海道移住―亘理伊達家を中心に―